努力しているのに、なかなか結果が出ない。
目標が遠く感じられ、もう諦めた方がよいのではないかと思う。
そんなときに読みたいのが、イチローの言葉です。
イチローの名言には、華やかな成功だけでなく、積み重ね、失敗、プレッシャー、他人からの評価との向き合い方が表れています。
「一度も迷わなかった人」の言葉ではありません。
迷い、苦しみ、ときには結果が出ない時間を経験しながら、それでも自分にできることを続けた人の言葉だからこそ、挫折しそうなときにも響きます。
一方、インターネット上には、発言した時期や媒体を確認できない「イチローの名言」も少なくありません。
そこでこの記事では、本人の語録集、記者会見、インタビューなどで出典を確認できた言葉から15本を選びました。
今の自分に必要な一言を探しながら、読んでみてください。
イチローの名言・格言15選【一覧】
- 夢は小さなことの積み重ねで近づく
- 人と比べず、自分の中でもう少し頑張る
- 準備によって言い訳をなくす
- 成功の裏にある多くの悔しさと向き合う
- 遠い目標だけを見て挫折しない
- 考えながら苦しむことで前へ進む
- 人に会いたくないほど苦しい時間もある
- 人に笑われても、自分の可能性を決めつけない
- プレッシャーは「やりたい」という思いから生まれる
- 挑戦して分かる失敗と、最初から諦めることは違う
- 自分なりに重ねたからこそ、後悔はない
- 決断した先にある可能性を見る
- 夢中になれるものが、壁へ向かう力になる
- 他人の評価に自分を預けない
- この先に現れる新しい自分を楽しみにする
イチローとは
イチローは、1973年10月22日生まれ、愛知県出身の元プロ野球選手です。本名は鈴木一朗です。
1992年にオリックス・ブルーウェーブへ入団し、2001年にはシアトル・マリナーズでメジャーリーグに挑戦しました。
日本人の野手として初めてMLB球団と契約し、メジャー1年目に新人王とMVPを同時受賞。2004年にはシーズン262安打を記録しました。
日本では1278安打、メジャーでは3089安打を放ち、日米通算4367安打を記録しています。
2019年に現役を引退し、2025年には日本の野球殿堂とアメリカ野球殿堂の双方に選ばれました。
長く第一線で活躍した実績だけでなく、自分の感覚を言葉にして説明する姿勢も、イチローが残した大きな特徴です。
参考:アメリカ野球殿堂「Ichiro Suzuki」、MLB「Ichiro Suzuki Stats」、野球殿堂博物館「2025年 野球殿堂入り発表」
努力と継続についてのイチローの名言5選
1.ちいさなことをつみかさねる
ちいさなことをつみかさねることで、いつの日か、信じられないような力を出せるようになっていきます。
出典:『夢をつかむ イチロー262のメッセージ』(ぴあ、2005年)
大きな夢を前にすると、今日できることがあまりにも小さく見えることがあります。
一日練習しただけでは、能力は大きく変わりません。一度行動しただけで、すぐに人生が動くとも限りません。
それでも、その一回を重ねなければ、遠くにある目標へ近づくことはできません。
この言葉が教えてくれるのは、最初から大きなことを成し遂げる必要はないということです。
前へ進めない日は、今日できる小さなことを一つ決める。
その一歩も、未来の自分をつくる積み重ねになります。
2.自分の中でもう少しだけ頑張ってみる
その時に自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていってほしいな、というふうに思います。
出典:イチロー杯争奪学童軟式野球大会の閉会式での言葉
周囲にすごい人がいると、自分の努力が足りないように感じることがあります。
しかし、誰かの二倍、三倍を目指し続ければ、いつか苦しくなります。
イチローが伝えたのは、人との比較ではなく、自分の中でもう少しだけ頑張ることでした。
昨日より少し丁寧に取り組む。あと一回だけ続ける。分からなかったことを一つ確認する。
その程度なら、今の自分にもできるかもしれません。
大切なのは、一度だけ無理をすることではなく、自分なりの「もう少し」を重ねることです。
参考:Number Web「人と比較せず自分の中で少し頑張る」
3.準備とは、言い訳の材料をなくすこと
“準備”というのは、言い訳の材料となり得るものを排除していく……ということですね。
出典:『Sports Graphic Number』541号(2002年1月17日発売)
どれだけ準備しても、望んだ結果が出るとは限りません。
それでも準備には意味があります。
できることをやったうえで結果を受け止めるのと、「あれをしておけばよかった」と悔やむのとでは、その後の向き合い方が変わるからです。
準備は、失敗を完全になくすためのものではありません。
結果が出なかったときに原因を冷静に見つめ、次へ進むための土台をつくるものです。
不安なときほど、今から確認できることを一つずつ減らしていく。その行動が、自分を支える力になります。
4.4000本のヒットの裏には、8000回以上の悔しさがある
4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと8000回以上は悔しい思いをしているんですよね。
出典:2013年、日米通算4000安打達成後の記者会見
記録として残るのは、打った4000本のヒットです。
しかし、その裏には記録に残らない凡退と悔しさがありました。
何かを成し遂げた人を見ると、成功した場面ばかりが目に入ります。自分だけが失敗しているように感じることもあります。
けれど、挑戦を長く続けるほど、うまくいかない経験も増えていきます。
失敗が多いことは、何もしてこなかった証拠ではありません。
それだけ何度も挑み、そのたびに悔しさと向き合ってきた証拠でもあります。
5.遠くの目標だけを見ていると挫折する
遠くの目標だけを見ているといずれは挫折します。
出典:Number Web掲載インタビュー「自分の限界を超えるために」(2024年)
大きな目標は、進む方向を示してくれます。
一方で、今の自分との差ばかりが見えると、「自分には無理だ」と感じる原因にもなります。
イチローはこのインタビューで、遠くの目標と近くの目標を分け、日々は近くにある目標を意識する考え方を語っています。
最終地点まで一気に進もうとしなくても構いません。
今日取り組むこと、今週までにできることなど、頑張れば届く距離に目標を置く。
目の前の一段に集中することが、途中で立ち止まらずに進むための方法になります。
大きな目標を前に自信を失ったときは、仕事で自信をなくしたときに読みたい名言10選も参考にしてください。
挫折と苦しみについてのイチローの名言5選
6.考えて、苦しんだうえで前へ進む
考えて、苦しんだうえで結果を出すことでしか前に進めない。
出典:國學院久我山高校の選手へ伝えた言葉
苦しい時間そのものが、自動的に人を成長させるわけではありません。
何も変えず、ただ我慢するだけでは、同じ場所で苦しみ続けることもあります。
だからこそ必要なのが、考えることです。
なぜ結果が出ないのか。今までの方法で変えられる部分はないか。次に試せることは何か。
すぐに答えが見つからなくても、考えた過程は次の選択肢を増やしてくれます。
苦しんでいる自分を否定するのではなく、そこから何を見つけるかを考える。その姿勢が、前へ進むきっかけになります。
参考:Number Web「考えて、苦しんだうえで結果を出す」
考えることを武器にしてきた人物の言葉は、野村克也の名言・格言15選でも紹介しています。
7.人に会いたくない時間もある
人に会いたくない時間もたくさんありましたね。だれにも会いたくない、しゃべりたくない。
出典:2016年、メジャー通算3000安打達成後の記者会見
この言葉は、メジャー通算3000安打を目前にしながら、なかなか残りのヒットが出なかった時期について語ったものです。
世界で結果を残してきたイチローにも、周囲と距離を置きたくなるほど苦しい時間がありました。
うまくいかないときに気持ちが沈むのは、意志が弱いからとは限りません。
期待に応えたいと思うほど、結果が出ない時間は苦しくなります。
すぐに前向きになれない日があってもよい。
苦しいと感じている自分を認めることも、もう一度動き出すために必要な時間です。
参考:スポーツナビ「3000安打達成後にイチローが語ったこと」
8.人に笑われてきたことを達成してきた
僕は子供の頃から人に笑われてきたことを常に達成してきているという自負はある。
出典:2016年、日米通算4257安打達成後の記者会見
イチローは、毎日野球を練習していた小学生の頃も、アメリカで首位打者を目指すと語ったときも、周囲から笑われた経験を明かしています。
人に笑われると、自分の考えが間違っているように感じます。
しかし、周囲の反応だけで、できるかどうかが決まるわけではありません。
もちろん、信じるだけですべての目標がかなうとは限りません。
それでも、まだ試していない段階で可能性を閉じる必要もありません。
他人の「無理」という言葉ではなく、自分が何をしたいのかを出発点にする。その姿勢を思い出させてくれる言葉です。
参考:Full-Count「イチロー“ローズ超え”会見全文」
9.やりたいと思うからプレッシャーがかかる
やりたいと思うからプレッシャーがかかる、やれると思うからプレッシャーがかかる、そういうことです。
出典:2004年、シーズン最多安打記録達成後の共同記者会見
プレッシャーを感じると、「自分は本番に弱い」と考えてしまうことがあります。
しかし、どうでもよいことには、大きなプレッシャーは生まれません。
達成したい。自分ならできるかもしれない。そう思っているからこそ、失敗が怖くなります。
この言葉は、プレッシャーを完全になくすのではなく、その中にある「やりたい」という気持ちを見る考え方です。
緊張している自分を責めるより、その気持ちを準備や行動へ向ける。
プレッシャーは、逃げる理由だけでなく、本気で向き合っている証拠にもなります。
参考:ライトハウス・シアトル「年間262安打の大リーグ新記録達成!イチロー選手インタビュー」
10.やってみて分かる「ダメ」と、最初から言われる「ダメ」は違う
やってみて「ダメだ」とわかったことと、はじめから「ダメだ」といわれたことは、ちがいます。
出典:『未来をかえる イチロー262のNextメッセージ』(ぴあ、2007年)
誰かから「難しい」「向いていない」と言われると、始める前から結果が決まったように感じることがあります。
けれど、実際にやってみて分かることと、他人の予想だけで諦めることは同じではありません。
挑戦してうまくいかなければ、自分に足りないものや、方法を変える必要があることが分かります。
その失敗には、次の行動を選ぶための情報があります。
できるかどうか分からないときは、結論を急ぐ前に、小さく試してみる。
その一歩によって、自分自身の答えを持てるようになります。
失敗を恐れず挑戦する言葉は、本田宗一郎の名言・格言15選にも通じています。
挑戦と生き方についてのイチローの名言5選
11.後悔などあろうはずがありません
後悔などあろうはずがありません。
出典:2019年3月21日、現役引退会見
この言葉は、引退の決断に後悔はあるかと聞かれたときの答えです。
イチローは続けて、人より頑張ったとは言えないけれど、自分なりに頑張ってきたことは、はっきり言えると語りました。
後悔をなくしたのは、すべての目標を達成できたからではありません。
自分にできることを長い時間重ね、結果から目をそらさなかったからこそ、最後に言えた言葉です。
完璧な結果だけが、後悔を減らすわけではありません。
自分で決めて行動した事実も、次の道へ進むときに自分を支えてくれます。
12.決断するときに後ろ向きな気持ちにはならない
僕は、決断するときに後ろ向きな気持ちにはならない。
出典:『Sports Graphic Number』876号(2015年4月16日発売)
この言葉は、ニューヨーク・ヤンキースを離れ、マイアミ・マーリンズへ移った時期の発言です。
環境を変えるときは、失うものに目が向きます。
慣れた場所、人間関係、これまで築いた評価が変わるため、不安になるのは自然なことです。
一方、新しい場所には、まだ決まっていない未来があります。
過去を否定するのではなく、これから何を加えられるかを見る。
決断した先にある余白へ目を向けることで、変化を次の一歩として捉えやすくなります。
参考:Number Web「僕は、決断するときに後ろ向きな気持ちにはならない」
仕事やこれからの生き方に迷っているときは、仕事に悩んだときに読みたい名言集も参考にしてください。
13.夢中になれるものが、壁へ向かう力になる
自分が熱中できるもの、夢中になれるものをみつけられれば、それに向かってエネルギーを注げるので。
出典:2019年3月21日、現役引退会見
壁を乗り越えるために必要なのは、強い意志だけではありません。
その先へ行きたいと思えるほど、好きなものがあることも大きな力になります。
ただ、夢中になれるものが最初から分かっている人ばかりではありません。
イチローもこの会見で、さまざまなことを試し、向き不向きよりも自分が好きなものを見つけてほしいと伝えています。
まだ見つかっていないなら、焦って一つに決めなくてもよい。
気になることを試しながら、もう少し続けてみたいと思えるものを探す。その過程も、次の一歩です。
参考:BuzzFeed News「イチローが引退会見で語ったこと」
14.他人の評価に自分を預けない
第三者の評価を意識した生き方はしたくない。自分が納得した生き方をしたい。
出典:ほぼ日刊イトイ新聞「ヒット一本が、どれだけうれしいか。」
他人から褒められればうれしくなり、否定されれば不安になります。
しかし、周囲の評価は立場や状況によって変わります。
そのたびに進む方向を変えていると、自分が何を大切にしたかったのか分からなくなります。
これは、人の意見をすべて聞かなくてよいという意味ではありません。
参考にする言葉と、最後に決める基準を分けることが大切です。
他人の評価を受け止めながらも、自分が納得できる選択をする。その積み重ねが、自分の人生を自分で歩くことにつながります。
参考:ほぼ日刊イトイ新聞「ヒット一本が、どれだけうれしいか。」
15.この先には、もっと違う自分がいる
もっと先にはもっと違う自分が現れるんじゃないかという期待が常にあります。
出典:『Sports Graphic Number』626号(2005年4月21日発売)
努力しても、前へ進んでいる実感を持てない時期があります。
変わったと思えたのに、また元の場所へ戻ったように感じることもあります。
イチローはこの言葉に続けて、必ずしも前へ進むだけではなく、後ろへ行っても違う自分になれるという趣旨を語っています。
遠回りや後退に見える時間も、それまで知らなかった自分に出会う過程かもしれません。
今の自分だけを見て、これからの可能性を決めなくてもよい。
この先で現れる自分を少し楽しみにすることが、もう一度歩き始める力になります。
参考:Number Web「もっと先にはもっと違う自分が現れるんじゃないか」
人生の方向に迷ったときは、人生に迷ったときに読みたい名言集もあわせて読んでみてください。
まとめ|イチローの名言は、小さな一歩を続ける力をくれる
イチローの言葉から伝わってくるのは、最初から強くなければいけないという考えではありません。
結果が出ない時間があり、人に会いたくないほど苦しい日があり、何度も悔しい思いをする。
それでも、自分にできることを考え、小さな行動を重ねていく。
その積み重ねによって、今は想像できない自分へ近づけると教えてくれます。
挫折しそうなときに、いきなり大きく立ち直る必要はありません。
今日できることを一つ決める。昨日より少しだけ丁寧に取り組む。気になっていたことを小さく試してみる。
その一歩も、ここで終わらずに進んでいくための行動です。
イチローの言葉をさらに読みたい人へ
この記事では、ぴあから刊行された「イチロー262のメッセージ」シリーズも参考にしています。
- 『夢をつかむ イチロー262のメッセージ』
- 『未来をかえる イチロー262のNextメッセージ』
- 『自己を変革する イチロー262のメッセージ』
- 『永遠に刻みたい イチロー262のメッセージ』
短い言葉を一つずつ読みながら、自分の状況と重ねて考えたい人に向いているシリーズです。
参考:Google Play Books「夢をつかむ イチロー262のメッセージ」、ぴあ「イチロー語録シリーズ全巻電子版」

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