『3月のライオン』のいじめ編には、ひなたの決意と、その周りで支えようとする人たちの言葉が描かれています
友達をかばったことで、自分もいじめの標的になるひなた
彼女を心配しながら、何ができるのか分からずに考え続ける零
ひなたの話を聞く家族や、零の相談に応じる林田先生
この記事では、TVアニメ第2シリーズのいじめ編から5つの言葉を取り上げ、誰が、どんな相手に、どのような状況で伝えたのかをたどります
ひなたの強さとともに、そのつらさを周囲がどう受け止めたのかにも目を向けていきます
※いじめの描写と、問題が解決に向かう展開に触れます
引用はキャストインタビューと公式あらすじの掲載表記に基づく短い抜粋です
『3月のライオン』いじめ編の名言|人物と場面の一覧
| 言葉のテーマ | 人物 | 言葉が交わされる場面 |
|---|---|---|
| 1.友達に声をかけた自分を否定しない | 川本ひなた | 友人をかばい、自分も標的になった後の告白 |
| 2.ひなたの行動を受け止める | 祖父・川本相米二 | 家族にいじめのことを打ち明けた場面 |
| 3.本人が何を望んでいるかを聞く | 林田先生 | 零が相談する場面/通算27話・第2シリーズ5話 |
| 4.心配する家族にも味方を伝える | 桐山零 | あかりと買い物をした帰り/通算29話・第2シリーズ7話 |
| 5.自分にできることを一つずつ考える | 林田先生 | ひなたたちを助けたいともがく零への助言/通算30話・第2シリーズ8話 |
話数は公式サイトの通算表記と、第2シリーズ内の話数を併記しています
1・2の言葉は、ひなた役・花澤香菜さんのインタビューで紹介された場面から取り上げています
ひなたは、なぜいじめの標的になったのか
この一連の言葉の背景になるのが、ひなたの友人・佐倉ちほへのいじめです
公式の通算26話あらすじでは、ひなたがちほに声をかけ、一緒に食事をし、担任に相談しようと提案する経緯が紹介されています しかし、いじめは激しくなり、ちほは学校に来られなくなって転校してしまいます
その後、いじめの矛先がひなたに向けられます
友達を助けたいと思って動いたことが、自分の孤立につながってしまう
そこから、ひなた自身の言葉と、家族や零たちの応答が生まれます
ひなたと、支える人たちの言葉を読む
1.ひなた|友達に声をかけた自分を否定しない
後悔なんてしない
人物:川本ひなた/友人をかばい、自分も標的になった後の告白
ひなた役の花澤香菜さんは、2017年のインタビューで、このセリフを言う場面を挙げています
花澤さんが第2シリーズの演技について語っているのは、ひなたの悔しさや怒り、そして零の前では強がらずに泣けるようになったことです
言葉だけを読むと、ひなたが何にも動じない人のように聞こえるかもしれません
けれど、この決意は、つらさを隠したまま口にするものではありません
泣いてしまうほど傷ついていることと、友達の味方をした自分の判断を信じることが、同じ場面にあります
この場面で守ろうとしているもの
ひなたが後悔したくないのは、ちほに声をかけたことです
つらい結果になったからといって、友達を一人にしなかった気持ちまで捨てたくない
そう読むと、この短い一節の切実さが伝わってきます
物語は、ここから周囲の人が関わる方向へ進みます
その決意を、周りがどう受け止めるかにも物語は続いていきます
出典:ガジェット通信・ひなた役の花澤香菜さんインタビュー(2017年11月19日) 背景:公式・通算26話あらすじ
2.祖父・相米二|ひなたの行動を受け止める
よくやった
人物:祖父・川本相米二/ひなたが家族にいじめのことを打ち明けた場面
同じインタビューで花澤香菜さんは、家族に話したひなたへ、祖父がこの言葉をかける場面を振り返っています
話したあとに、責められるのか、心配をかけたと言われるのか
誰かに困ったことを伝えるときには、返ってくる言葉が気になるものです
この場面でひなたを迎えるのは、自分のしたことを受け止めてくれる祖父の返事です
短い返事の中にある、家族の立ち位置
祖父の一言で、その場からいじめがなくなるわけではありません
それでも、ひなたが何を大切にして動いたのかを、家族が見てくれていることは伝わります
友達をかばった自分と、いじめられるようになった自分
その二つを抱えて帰ってきたひなたにとって、家の中に味方がいることが、この返事ではっきりします
問題の解き方がまだ見つからないときにも、相手のしたことや、その人を大切に思う気持ちは伝えられる
祖父の言葉は、そんな支え方を具体的に見せています
出典:ガジェット通信・ひなた役の花澤香菜さんインタビュー(2017年11月19日)
3.林田先生|本人が何を望んでいるかを聞く
いじめられている本人がどんな解決を望んでいるかをちゃんと聞くことが大事
人物:林田先生/通算27話・第2シリーズ5話で、零が相談する場面
これは、公式あらすじに掲載されている林田先生の助言です
いじめについて相談する零に、まず本人の望みを聞くことの大切さを伝えています
一方の零は、解決に必要なお金を対局料から用意しようと思い立ちます
公式あらすじでは、電卓を持って川本家へ向かおうとする零の姿も紹介されています
零は真剣です
だからこそ、自分が持っている力で何とかしようと、将棋や対局料へと考えが向かいます
助けたい気持ちと、相手が求める助け
このやり取りには、相手のために動きたい気持ちが強くても、その人が何を望んでいるかは別に聞く必要がある、という難しさがあります
話を聞いてほしいのか
一緒に誰かへ相談してほしいのか
今の場所から少し離れる手伝いがほしいのか
こちらが用意した答えだけでは、分からないことがあります
林田先生の言葉は、解決策を考える零の視線を、ひなた自身へと戻しています
相手を大切に思うことが、相手の声を聞くことにつながっていく場面です
出典:公式・通算27話あらすじ(2017年11月11日放送)
4.零|心配するあかりにも、味方がいると伝える
ぼくもいます!
人物:桐山零/通算29話・第2シリーズ7話で、あかりに向けた言葉
この言葉を伝える相手は、ひなたの姉・あかりです
妹のことを不安に思うあかりと買い物をした帰りに、零が思わず大きな声で宣言します
短い言葉ですが、誰に言ったのかを知ると、その役割が見えてきます
ひなたを心配している家族にも、心配や不安があります
零は、そのあかりに、自分も関わっていくことを伝えています
支える人にも、支えが届く
誰かを気にかけていると、自分がしっかりしなければと思うことがあります
近くにいる家族ほど、何もできていないように感じてしまう日もあるかもしれません
零の返事は、あかりが一人で引き受けようとしている不安のそばに、自分も立とうとする言葉に聞こえます
問題をすぐ解決できると約束するよりも前に、これから一緒に考える相手がいると伝える
そのことが、この場面では具体的な支えになっています
出典:公式・通算29話あらすじ(2017年11月25日放送)
5.林田先生|自分にできることを一つずつ考える
お前にできることをひとつずつやるしかない
人物:林田先生/通算30話・第2シリーズ8話で、零に向けた助言
ひなたたちの力になりたいともがく零へ、林田先生が伝える言葉です
この助言が向けられるのは、助けようとしている零です
第27話からの流れを振り返ると、零は先生に相談し、ひなたのことを考え、不安を抱えるあかりにも声をかけています
一つの大きな方法で何とかしようとする中から、周りの人と関わる行動が重なっていきます
全部の答えを持てなくても、関わりは続く
大切な人がつらそうにしていると、決定的な答えを出せない自分にもどかしさを感じることがあります
零もまた、将棋の強さがそのまま問題の解決につながるわけではない場面で、考え続けています
林田先生が示す単位は、その零にできることを一つずつ、というものです
本人の話を聞くこと、相談すること、家族の不安にも気づくこと
それぞれは小さくても、零がそばにいる形になっています
人の力を借りてきた零が、今度は人を支えようとする
その途中にある言葉として読むと、力みだけではない温かさが感じられます
出典:公式・通算30話あらすじ(2017年12月2日放送)
ひなたの決意を、周りの人が支える物語
いじめ編では、その後、学校側の関わりも描かれます
公式の通算35話あらすじでは、国分先生の介入によって問題が解決へ向かい、ひなたのもとに、転校したちほから手紙が届くことが紹介されています
ここまでをたどると、ひなたの決意、零の迷い、家族の言葉、学校側の対応がつながって見えてきます
傷ついた本人の気持ちを大切にしながら、周囲が具体的に関わっていく過程に、この編の温かさがあります
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言葉の短さだけでは分からない、支え方
ひなたが話し、祖父が受け止める
零が悩み、林田先生に尋ねる
家族を心配する零が、その家族にも声をかける
この一連のやり取りには、立場の違う人たちが、少しずつ関わり方を見つけていく姿があります
短い返事にも、その人が見ている相手や、それまでの関係が込められています
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