誰かの可能性を、結果が出る前から信じ抜くのは簡単ではありません。
期待しても、思うような結果にならないかもしれない。
責任を負う立場であれば、信じることに怖さを感じるときもあります。
それでも栗山英樹は、北海道日本ハムファイターズと侍ジャパンの監督として、選手を信じながら数々の決断を重ねてきました。
栗山英樹の言葉から見えてくるのは、ただ前向きに考えることではありません。
苦しい状況を成長の材料にすること。相手の力を信じること。そして、信じた自分が責任を引き受けることです。
この記事では、本人の著書、インタビュー、侍ジャパン公式サイトの会見記録、Number Webの掲載記録などで確認できる言葉から15本を選びました。
野球を詳しく知らない方にも伝わるように、言葉が生まれた背景と、仕事や人生に置き換えて受け取れる意味を紹介します。
栗山英樹の名言・格言15選【一覧】
- 苦しみから知恵と努力が生まれる
- うまくいかないことを成長の宿題に変える
- 誰も歩いていない道を一緒につくる
- 夢を「できるか」ではなく「やるか」で考える
- 願望を決意へ変える
- 結果が出ないときも相手の力を信じる
- 相手が持つ力を出せるように任せる
- 言葉だけでなく物語を伝える
- 分からないことを認めて相手に聞く
- 選手だけでなく組織全体を育てる
- 責任を取る前に、責任を果たす
- 思いを結果につなげる
- 無難な方法にとどまらず決断する
- 目の前の仕事に命をかける
- 成功を自分一人の手柄にしない
栗山英樹とは
栗山英樹は、元プロ野球選手であり、北海道日本ハムファイターズと野球日本代表「侍ジャパン」の監督を務めた人物です。
1984年から1990年までヤクルトスワローズでプレーし、1989年にはゴールデングラブ賞を受賞しました。
現役引退後はスポーツキャスターや解説者として活動。コーチ経験がないまま2012年にファイターズの監督へ就任し、同年と2016年にリーグ優勝、2016年には日本一へ導きました。
2023年のWBCでは侍ジャパンを世界一へ導き、2024年からはファイターズのチーフ・ベースボール・オフィサーを務めています。2026年には野球殿堂入りを果たしました。
出典:侍ジャパン「栗山英樹監督の就任について」・北海道日本ハムファイターズ「CBO就任」・野球殿堂入り記念セレモニー
逆境や夢と向き合う栗山英樹の名言5選
1.苦しみから知恵と努力が生まれる
幸せになるってことは才能に頼ることじゃない。苦しむからこそ知恵が生まれるし、努力ができる。
出典:Number Web「栗山英樹の名言」(Number958号・2018年8月2日)
栗山英樹は、ファイターズの監督になってから、才能よりも大切なものがあると気づいたと語っています。
才能の差を感じると、自分には無理だと考えてしまうことがあります。
しかし、苦しいからこそ考え、工夫し、努力する。その時間が、才能だけでは得られない強さを育てることもあります。
今の苦しさを成功の証拠にする必要はありません。ただ、そこで考えたことや続けたことは、次の選択に生かせます。
2.うまくいかないことを成長の宿題に変える
いいね、宿題。俺まだ大きくなれるね。
出典:ぴあ「栗山英樹さんインタビュー」(2025年2月17日)
栗山英樹は、困難にぶつかったとき、それを乗り越える過程で人は成長すると話しました。
問題が起きたときに「なぜ自分だけ」と考えると、気持ちはそこで止まりやすくなります。
一方で「まだ学ぶことが残っている」と捉えれば、次に何を試すか考えられます。
失敗を無理に喜ぶ必要はありません。それでも、失敗を自分を責める材料ではなく、次に答える宿題へ変えることはできます。
3.誰も歩いていない道を一緒につくる
夢は正夢。誰も歩いたことのない大谷の道を一緒につくろう。
出典:ウレぴあ総研「栗山英樹名言集・勝ち続ける思考 #4」/『栗山英樹の思考』収録
2012年、ファイターズが大谷翔平をドラフトで指名した後、栗山英樹がボールに記した言葉です。
当時、大谷は高校卒業後にアメリカへ渡る意向を表明していました。投手と打者の二刀流という育成方針も、プロ野球では前例の少ない挑戦でした。
栗山英樹は、すでにある道から一つを選ばせるのではなく、本人と一緒に新しい道をつくろうとしました。
前例がないことは、できない理由とは限りません。道がなければ、進みながら形にしていくという考え方もあります。
大谷翔平本人の努力や挑戦については、大谷翔平の名言・格言15選でも紹介しています。
4.夢を「できるか」ではなく「やるか」で考える
最後の最後まで諦めないでくれ。夢はできるか、できないかで考えないで、自分がやるか、やらないかです。
出典:ウレぴあ総研「夢を叶えるために必要なこと」/『栗山英樹の思考』収録
WBC優勝後の2023年6月、北海道栗山町で開かれた記念イベントで語った言葉です。
大きな夢ほど、最初から実現できる根拠は見つかりません。
できると確信できるまで待っていると、何も始められないこともあります。
今の時点で可能かどうかではなく、まず自分はやるのか。その意思を決めることで、今日できる行動が見え始めます。
挫折を終わりではなく過程として捉える考え方は、本田圭佑の名言・格言15選にも通じます。
5.願望を決意へ変える
世界一になるためにだけに戦います。世界一になりたいではなく、世界一になります。
出典:侍ジャパン「栗山英樹監督新春特別インタビュー」(2023年1月3日)
2023年のWBC開幕を約2か月後に控えたインタビューで、栗山英樹が大会の目標を問われたときの言葉です。
「なりたい」は願いですが、「なります」は決意です。
言い方を変えただけで結果が決まるわけではありません。それでも、目標を実現する前提で考えれば、準備の基準や日々の選択は変わります。
実際に日本は同年のWBCで優勝しました。結果を知った後だから強く見えるのではなく、結果が分からない段階で言い切ったところに覚悟が表れています。
人を信じ、力を引き出す栗山英樹の名言5選
6.結果が出ないときも相手の力を信じる
お前が打てることはわかっている、僕らはその実力を信じているので、自信を持って、めげずに頑張ってほしい。
出典:Number Web「栗山英樹の名言」(Number914・915号・2016年11月4日)
ファイターズへ入団したブランドン・レアードは、2015年の前半戦に思うような結果が出ず、二軍降格や解雇への不安を抱えていました。
その時期に、栗山英樹からかけられた言葉です。
結果が出てから信頼を伝えるのは難しくありません。本当に支えが必要なのは、本人が自分の力を疑い始めたときです。
できていない点だけを見るのではなく、その人が本来持っている力を見る。リーダーの信頼が、もう一度挑戦する足場になることがあります。
7.相手が持つ力を出せるように任せる
自分の持っているものを出してくれれば、しっかりと相手を抑えてくれると信じています。
出典:侍ジャパン「オーストラリア戦に向けた記者会見」(2022年11月8日)
オーストラリア戦を前に、先発予定の今永昇太と佐々木朗希について語った言葉です。
信じることは、何も考えずに任せることではありません。
選手の状態を確認し、準備を重ねたうえで、本番では本人が持つ力を出せると信じる。その順番が大切です。
仕事でも、細かく指示し続けるだけでは相手が力を発揮しにくくなります。準備を支えた後は任せることも、信頼の示し方です。
8.言葉だけでなく物語を伝える
人を動かすために大切なのは「物語」を伝えること。
出典:PILOT「栗山英樹さんインタビュー」(2025年1月24日)
栗山英樹は、WBCの代表選手一人ひとりに手紙を書き、合宿初日に各選手の部屋へ届けました。
命令だけを伝えても、人の心が動くとは限りません。
なぜあなたに頼むのか。なぜ一緒に目標へ向かいたいのか。その背景まで伝わったとき、言葉は自分に向けられたものになります。
職場で人に協力を求めるときも、作業内容だけでなく目的や理由を共有することで、受け取り方は変わります。
9.分からないことを認めて相手に聞く
絶対に噓をつくな。裸のままぶつかれ。わからないことは選手に聞け。
出典:mi-mollet「栗山英樹が考える“いい指導者”とは」(2025年1月13日)
侍ジャパンの監督を引き受けたとき、栗山英樹が自身のノートに書いた言葉です。
リーダーになると、何でも知っているように振る舞いたくなることがあります。
しかし、分からないことを隠せば、誤った判断を続けるかもしれません。相手の方が詳しいことは素直に聞き、一緒に答えを探す方が、信頼関係を築けます。
立場の強さではなく、正直に向き合えることが、チームを動かす力になるという言葉です。
10.選手だけでなく組織全体を育てる
選手だけじゃなくて、球団のスタッフも含めて、きちんとした教育ができればいいチームになることは間違いない。
出典:Number Web「栗山英樹の名言」(Number925号・2017年4月13日)
試合に出る選手だけが成長しても、強い組織が完成するわけではありません。
選手を支えるスタッフも学び、それぞれが役割を果たすことで、チーム全体の力が高まります。
これは会社でも同じです。目立つ成果を出す人だけでなく、その人が力を出せる環境をつくる人も含めて育てる視点が必要です。
人を育てるリーダーの考え方は、野村克也の名言・格言15選でも紹介しています。
責任や仕事に向き合う栗山英樹の名言5選
11.責任を取る前に、責任を果たす
責任は「取る」ものではなく「果たす」もの。「果たす」ことが、指揮官の責任だ。
出典:栗山英樹『稚心を去る』(ワニブックス)166ページ/掲載箇所の紹介
失敗した後に辞めることだけが、責任ではありません。
任された役割の中で何をするべきかを考え、結果を出すために行動し続ける。それが、まず果たすべき責任だという考え方です。
仕事で問題が起きたときも、「誰が責任を取るのか」だけを考えると、行動が遅れます。
今できる対処は何か。再発を防ぐために何を残すか。責任を行動へ置き換えることで、次に進めます。
12.思いを結果につなげる
本当の思いは勝たないと伝わらないこともある。
出典:侍ジャパン「栗山英樹監督新春特別インタビュー」(2022年1月3日)
選手のためを思って選んだ方法でも、負ければ意図が伝わりにくいことがあります。
栗山英樹は、良いことをしているつもりで終わらず、選手の取り組みや思いを伝えるためにも勝ち切る責任があると話しました。
過程が大切だからこそ、結果を軽く扱わない。
思いだけで満足せず、相手へ届く形にするところまで取り組む姿勢が表れた言葉です。
13.無難な方法にとどまらず決断する
無難に同じやり方を続けていては勝てません。
出典:セブン&アイ「栗山英樹氏×井阪隆一 対談」(2025年2月28日)
ファイターズ監督1年目の2012年、栗山英樹はプロ2年目だった斎藤佑樹を開幕投手に起用しました。
絶対に成功する保証はなく、周囲へ理由を説明する必要もある決断でした。
変化にはリスクがあります。しかし、状況が変わっているのに過去と同じ方法だけを選ぶことも、別のリスクです。
安全そうに見える選択へ流されず、必要な変化を見極める。決めた後は丁寧に説明し、周囲が納得して動けるようにすることまでがリーダーの役割です。
迷いながら決断する考え方については、羽生善治の名言・格言15選も参考になります。
14.目の前の仕事に命をかける
俺はあの仕事を命がけでやってきたんだよ。
出典:Number Web「栗山英樹の名言」(Number801号・2012年4月5日)
栗山英樹は1990年の現役引退後、約21年間にわたってスポーツキャスターや解説者として活動しました。
監督になるための通過点として仕事をしていたのではなく、短いコメントにも時間をかけ、視聴者へどう伝えるかを考え続けていたと語っています。
今の仕事が、将来どこにつながるかは分かりません。
それでも目の前の役割へ真剣に向き合った経験は、環境が変わったときにも自分を支える力になります。
小さな積み重ねを大切にする言葉は、イチローの名言・格言15選でも紹介しています。
15.成功を自分一人の手柄にしない
結果的に見たことのない景色を選手たちに見せてもらった。
出典:侍ジャパン「栗山英樹監督が退任会見」(2023年6月2日)
WBC優勝後、侍ジャパン監督の退任会見で語った言葉です。
監督としてチームを世界一へ導いた立場でありながら、「見せた」ではなく「見せてもらった」と表現しています。
大きな結果が出たときほど、自分の力だけで成し遂げたと思わない。
周囲の努力を認め、感謝を言葉にする姿勢が、次の信頼につながります。
栗山英樹の言葉を本で読みたい方へ
栗山英樹の発言と、その言葉が生まれた背景をまとめて読みたい方には、『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』があります。
ファイターズと侍ジャパンの監督を務めた2012年から2023年までの言葉が収録されており、大谷翔平との関わりやWBCでの決断も振り返れます。
<!– ここに『栗山英樹の思考』のもしもアフィリエイト「かんたんリンク」を挿入 –>
信じることや日々の習慣を中心に読みたい方には、『信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ』もあります。
WBC優勝後に書き下ろされ、相手を信じること、自分の弱さと向き合うこと、運を引き寄せるために続けてきた習慣がまとめられています。
<!– ここに『信じ切る力』のもしもアフィリエイト「かんたんリンク」を挿入 –>
栗山英樹の名言に関するよくある質問
栗山英樹の代表的な名言は何ですか?
大谷翔平へ贈った「夢は正夢。誰も歩いたことのない大谷の道を一緒につくろう」や、WBC前に語った「世界一になりたいではなく、世界一になります」などがあります。
栗山英樹の言葉には、夢や努力だけでなく、人を信じることやリーダーの責任に関するものも多くあります。
「夢は正夢」は誰に贈った言葉ですか?
高校卒業後にアメリカへ挑戦する意向を示していた大谷翔平へ贈った言葉です。
2012年のドラフト後、ファイターズが入団交渉を進める中で、栗山英樹がメッセージを記したボールを用意しました。
栗山英樹の名言はどこで確認できますか?
本人の著書のほか、侍ジャパン公式サイトの会見・インタビュー、Number Webのスポーツ名言集、本人への各種インタビューなどで確認できます。
インターネット上の名言集だけでなく、発言した時期や状況まで分かる資料を確認すると、言葉の意味をより正確に受け取れます。
まとめ|信じることは、責任を引き受けること
栗山英樹の言葉に共通しているのは、ただ「信じればうまくいく」と考えていないことです。
相手の力を信じる。その人が力を発揮できるように準備する。そして、任せた結果への責任は自分が引き受ける。
そこまで行動して初めて、信じるという言葉に重みが生まれます。
自分の努力が報われず、前へ進めないとき。
誰かを任せることが怖くなったとき。
栗山英樹の言葉は、今できることを考え、もう一度動き出すための視点を与えてくれます。
すぐに自信を持てなくても、すべてを信じ切れなくても構いません。
目の前の問題を一つの宿題として、今日できることから始めてみてください。

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