仕事で失敗した直後は、何が悪かったのかを落ち着いて考えるのが難しくなります。
自分を責めて動けなくなることもあれば、環境や周囲のせいにして気持ちを守りたくなることもあります。
松下幸之助の言葉が教えるのは、誰かを責めることでも、気合いだけで押し切ることでもありません。
現実をそのまま見て、今の自分に変えられることを探す姿勢です。
松下幸之助は、9歳で奉公に出た後、23歳で松下電気器具製作所を創業しました。その歩みは順調な時期ばかりではなく、病弱な体や戦後の混乱など、さまざまな困難を経験しています。
だからこそ、その言葉には、失敗した後にどう立て直すか、仕事をどう深めるか、人の力をどう生かすかという具体的な考え方が残されています。
この記事では、パナソニック公式「松下幸之助 30のことば」とPHP研究所の資料を中心に、出典を確認できた名言・格言を15本選びました。
仕事や人生で行き詰まったときに、次の一歩を見つけるための言葉として読んでみてください。
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松下幸之助の名言・格言15選【一覧】
- 成功する前に諦めて失敗を確定させない
- 迷っているときこそ、まず歩き始める
- 新しい道を自分で生み出す
- 現実をそのまま受け止め、必要なことをする
- 苦しい時期を改善の機会に変える
- 熱意が知識や技術を生かす
- 教わるだけでなく、自分で工夫して身につける
- 昨日までの正解にとらわれない
- 仕事の中に興味を見つける
- 素直さを「従うこと」と取り違えない
- 心の若さを失わず、日に新たに進む
- 人は誰でも磨けば光る可能性を持つ
- 物をつくる前に人を育てる
- 一人で決めず、みんなの知恵を集める
- 任せても、支える責任は手放さない
松下幸之助とは
松下幸之助は、現在のパナソニックグループを築いた創業者であり、PHP研究所の創設者です。
1894年に和歌山県で生まれ、9歳で単身大阪へ出て、火鉢店や自転車店で奉公しました。その後、大阪電灯に勤務し、1918年、23歳で松下電気器具製作所を創業します。
1946年には「繁栄によって平和と幸福を」を掲げてPHP研究所を創設。1979年には、将来の指導者を育てるために松下政経塾を設立しました。
1989年、94歳で亡くなるまで、経営だけでなく、仕事、人材育成、人生について多くの考えを残しています。
参考:松下幸之助.com「松下幸之助の経歴」・パナソニック「パナソニックの歴史」
失敗や逆境から道をひらく松下幸之助の名言5選
1.成功する前に諦めて、失敗を確定させない
世にいう失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに原因があるように思われる。
出典:パナソニック「成功するまで続ける」/『指導者の条件』
松下幸之助は、一度や二度うまくいかなかったからといって、簡単に志を捨ててはいけないと説いています。
ここで大切なのは、同じ方法を何度も繰り返すことではありません。
失敗の原因を考え、方法を変え、地道な努力を続ける。状況の変化も捉えながら前へ進むことで、新しい道が見えることがあります。
続けるとは、失敗を無視することではなく、失敗から学びながら目的を手放さないことです。
失敗を試行錯誤へ変える考え方は、本田宗一郎の名言・格言15選にも通じています。
2.迷っているときこそ、まず歩き始める
道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。
出典:パナソニック「道」/『道をひらく』
この道でよいのか分からず、立ち止まってしまうことがあります。
しかし、考えているだけでは、進んだ先に何があるのかは見えません。
小さくても行動すれば、今の方法が合っているのか、どこを変えるべきかという新しい情報が得られます。
答えが分かってから歩くのではなく、歩きながら答えを探す。迷いを完全になくすことより、今日できる一歩を選ぶ大切さが表れた言葉です。
3.新しい道を自分で生み出す
道は無限にある
出典:パナソニック「道は無限にある」/『道は無限にある』
目の前の選択肢が少ないと、「もう方法がない」と感じることがあります。
松下幸之助がいう「無限」は、待っていれば都合のよい道が現れるという意味ではありません。
新しいものを生み出そうと考え、熱意を持って行動し続ければ、生活や仕事の進め方は変えられるという考え方です。
今ある選択肢から選ぶだけでなく、工夫によって新しい選択肢をつくる。その視点を持てば、行き止まりに見えた場所にも余地が生まれます。
心が折れそうなときに読み返したい言葉は、自信をなくしたときに読みたい名言10選にもまとめています。
4.現実をそのまま受け止め、必要なことをする
雨が降ったら傘をさす
出典:パナソニック「雨が降れば傘をさす」/『松下幸之助一日一話』
松下幸之助は、雨が降れば傘をさすように、状況に応じて当たり前のことを的確に行う大切さを説きました。
問題が大きいほど、特別な解決策を探したくなります。
けれど、最初に必要なのは、起きている事実を正しく見ることです。確認する、連絡する、原因を整理するなど、基本的な行動が解決の土台になります。
現実を受け入れることは、諦めることではありません。今の状況に合う行動を選ぶための出発点です。
5.苦しい時期を改善の機会に変える
好況よし、不況さらによし
出典:パナソニック「好況よし、不況さらによし」/『道は無限にある』
景気がよいときは、商品や仕事に多少の問題があっても、成果が出ることがあります。
一方、苦しい状況では、何が選ばれ、何が足りないのかがはっきりします。
松下幸之助は、不況のときこそ、商品、経営、人の力が吟味されると考えました。
苦境そのものを喜ぶ必要はありません。それでも、順調なときには見えなかった弱点を見つけ、土台を整え直す機会にはできます。
仕事と成長についての松下幸之助の名言5選
6.熱意が知識や技術を生かす
人間はなんといっても熱意です。
出典:パナソニック「熱意が道をきりひらく」/『社員稼業』
知識や技術があっても、それを何のために使うのかが曖昧なら、行動にはつながりにくくなります。
松下幸之助は、二階へ上がりたいという強い熱意があれば、どうすれば上がれるかを考え、やがてはしごを思いつくと説明しました。
熱意だけで、すべての問題を解決できるわけではありません。
それでも、本気で実現したいと思う気持ちは、知識を集め、方法を試し、もう一度工夫する力になります。
7.教わるだけでなく、自分で工夫して身につける
ただみずから創意工夫をこらしてはじめて会得できるものである。
出典:パナソニック「自修自得」/『その心意気やよし』
本を読み、詳しい人から教わることで、知識は増やせます。
しかし、知っていることと、実際の仕事で使えることは同じではありません。
自分で考えて試し、失敗した理由を振り返り、もう一度やってみる。その過程を通して、知識が自分の技術に変わっていきます。
教えを軽く見るのではなく、教わったことを自分で確かめる。仕事で本当の力を身につけるための考え方です。
仕事への向き合い方を考えたい方は、仕事に悩んだときに読みたい名言集も参考にしてください。
8.昨日までの正解にとらわれない
すべてのものは絶えず動き、絶えず変わりつつある。
出典:パナソニック「日に新た」/『松下幸之助・経営の真髄』
一度うまくいった方法は、安心して使い続けたくなります。
けれど、周囲の状況や求められるものが変われば、昨日までの正解が今日も正しいとは限りません。
「日に新た」とは、過去を否定することではなく、変化に合わせて考え方や行動を更新する姿勢です。
大きく変える必要がなくても、昨日より一つ改善する。その積み重ねが、仕事を停滞させない力になります。
9.仕事の中に興味を見つける
好きになれば努力することが苦にならない。むしろ楽しくなる。
出典:パナソニック「まず好きになる」/『商売心得帖』
松下幸之助は、商売を繁栄させたいなら、まず自分が商売に興味を持ち、好きになることが大切だと説きました。
これは、つらい仕事を無理に好きだと思い込むという話ではありません。
何の役に立っているのか。どこに工夫の余地があるのか。少しでも興味を持てる部分を探すことで、取り組み方は変わります。
どうしても心身を削る環境まで我慢する必要はありません。それでも、続けると決めた仕事の中に意味や面白さを見つけることは、成長を支える力になります。
10.素直さを「従うこと」と取り違えない
物事をあるがままに見ようとする心といえるでしょう。
出典:パナソニック「素直な心」/『素直な心になるために』
松下幸之助がいう「素直な心」は、相手の言葉に何でも従うことではありません。
自分の利害、感情、知識、先入観にとらわれず、起きていることをそのまま見ようとする心です。
自分の考えに固執すると、都合の悪い事実を見落とすことがあります。一方、周囲の意見をそのまま受け入れるだけでも、正しい判断はできません。
事実と感情を分け、必要なら自分の考えを改める。素直さとは、よりよい判断をするための強さでもあります。
人と人生についての松下幸之助の名言5選
11.心の若さを失わず、日に新たに進む
青春とは心の若さである
出典:パナソニック「青春とは心の若さ」/『松下幸之助一日一話』・PHP研究所「松下幸之助の名言」
この言葉は、松下幸之助がアメリカの詩人サミュエル・ウルマンの詩から着想を得て、1965年に自身の座右の銘としてつくったものです。
年齢を重ねることは止められません。しかし、新しいことを知りたいと思う気持ちや、もう一度挑戦する勇気まで失う必要はありません。
若さを年齢だけで考えず、信念と希望を持って活動を続ける心として捉えています。
何歳からでも新しい一歩を選べると思わせてくれる言葉です。
人生の方向に迷っているときは、人生に迷ったときに読みたい名言28選もあわせて読んでみてください。
12.人は誰でも磨けば光る可能性を持つ
人間はだれもが、磨けばそれぞれに光る、さまざまなすばらしい素質をもっている。
出典:パナソニック「人間はダイヤモンドの原石」/『人を活かす経営』
周囲と比べて、自分には目立った才能がないと感じることがあります。
松下幸之助は、人をダイヤモンドの原石にたとえました。磨き方や切り方によって、それぞれ異なる輝きを放つと考えたのです。
全員が同じ能力を持つという意味ではありません。人によって、強みも伸びる方法も違います。
今できないことだけで自分を決めず、どのような経験や環境なら力を発揮できるのかを探す。自分にも他人にも、成長の余地を残す考え方です。
13.物をつくる前に人を育てる
松下電器は人をつくるところでございます。あわせて電気製品をつくっております。
出典:パナソニック「物をつくる前に人をつくる」/『松下幸之助一日一話』
技術や資金が十分ではなかった創業期から、松下幸之助は人の成長を重視しました。
よい製品を生み出すのも、信頼を築くのも、最後はそこで働く人です。
目の前の成果だけを急いで、教える時間や振り返る機会を削れば、同じ問題を繰り返すかもしれません。
仕事を完成させるだけでなく、その経験を通して次の仕事を担える人を育てる。長く続く組織をつくるための視点が表れています。
14.一人で決めず、みんなの知恵を集める
会社の経営はやはり衆知によらなければいけません。
出典:パナソニック「衆知を集める」/『わが経営を語る』
責任ある立場になると、すべて自分で答えを出さなければならないと考えがちです。
しかし、一人の知識や経験には限界があります。現場にいる人、異なる専門を持つ人、影響を受ける人の意見を聞くことで、見えていなかった問題に気づけます。
意見を集めることは、決断を避けることではありません。
さまざまな知恵を受け取り、最後は責任を持って判断する。一人の力に頼りすぎないリーダーの姿勢です。
15.任せても、支える責任は手放さない
“任せた”のであって、決して放り出したのではないということです。
出典:パナソニック「任せて任せず」/『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』
仕事を任せることは、相手を信じて裁量を渡すことです。
ただし、任せた後に関心を失い、困っていても支えないのであれば、それは信頼ではなく放置になります。
必要なときには報告を求め、問題があれば助言する。それでも、細かな部分まで口を出して相手の仕事を奪わない。
任せることと見守ることの両方を続ける「任せて任せず」は、部下や後輩を持つ人にとって大切な考え方です。
人を信じ、任せた側が責任を引き受ける姿勢は、栗山英樹の名言・格言15選にも通じています。
松下幸之助の言葉を本で読みたい方へ
松下幸之助の考えを人生や日々の悩みから読みたい方には、『道をひらく』があります。
月刊誌『PHP』に掲載された短編随筆をまとめた本で、「道」など、迷いや困難に向き合うための言葉を自分のペースで読めます。
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仕事、人生、経営、人材育成など、幅広い言葉を少しずつ読みたい方には、『松下幸之助「一日一話」』があります。
366の語録が一日一話の形でまとめられているため、その日に必要な言葉を探しやすい一冊です。
<!– ここに『松下幸之助「一日一話」』のもしもアフィリエイト「かんたんリンク」を挿入 –>
松下幸之助の名言に関するよくある質問
松下幸之助の代表的な名言は何ですか?
「成功するまで続ける」「道は無限にある」「雨が降れば傘をさす」「物をつくる前に人をつくる」などがあります。
パナソニックミュージアムの公式サイトでは、仕事、経営、人生に関する30のことばと出典書籍が公開されています。
「失敗したところでやめるから失敗になる」は松下幸之助の言葉ですか?
似た表現がインターネット上で広く紹介されています。
今回確認したパナソニック公式ページでは、『指導者の条件』の言葉として「世にいう失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに原因があるように思われる」と掲載されています。
発信元を重視する場合は、広く流通している短い表現だけでなく、公式掲載の原文と出典書籍まで確認すると安心です。
「青春とは心の若さである」は松下幸之助のオリジナルですか?
パナソニックとPHP研究所の説明によると、松下幸之助がサミュエル・ウルマンの詩からヒントを得て、1965年に座右の銘としてつくった言葉です。
詩をそのまま引用したものではなく、着想を得て自身の言葉としてまとめたものと説明されています。
松下幸之助の言葉を初めて読むなら、どの本がおすすめですか?
人生や悩みに向き合う短い随筆を読みたい方には『道をひらく』、仕事や経営を含む幅広い語録を毎日少しずつ読みたい方には『松下幸之助「一日一話」』が選びやすいでしょう。
まとめ|現実を見て、今日できることから道をひらく
松下幸之助の名言には、勢いだけで前へ進めと励ます言葉は多くありません。
まず現実をあるがままに見る。失敗したら原因を考える。教わったことを自分で試し、人の知恵にも耳を傾ける。
そのうえで、簡単に志を手放さず、昨日より一つでも新しい行動を選ぶことを大切にしています。
仕事がうまくいかないとき、すぐに正解が見つからないこともあります。
それでも「雨が降ったら傘をさす」ように、今必要なことを一つずつ行えば、状況は少しずつ変えられます。
今の自分に必要な言葉を一つ選び、今日できる行動へつなげてみてください。

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