努力しているのに、思うような結果が出ない。周囲に評価されず、自分の進む道に迷ってしまう。
そんなときに読みたいのが、中村俊輔の言葉です。
「悔しいと思ったらまた強くなれるから」「海外でもがいた経験は必ず後で生きる」。その発言には、挫折を経験しながら成長を求める姿勢が表れています。
この記事では、報道記事やNumber Webで確認できた中村俊輔の名言を15個紹介します。努力と成長、挫折と挑戦、自分とチームの3つのテーマに分け、発言の背景と日常に重ねて考えられることをまとめました。
※引用は掲載元の本文を確認し、一部は必要な箇所を抜粋しています。引用の後に続く解説は、発言の背景と当記事の考察です。
努力と成長についての中村俊輔の名言5選
1.上達のために必要なことを少しずつ知る
うまくなるために、だいたいどうすればいいのか少しずつ分かってきた。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number512号(2000年12月14日)より抜粋。
22歳の中村が、海外へ行くことも含め、自分の成長に必要なことを語った言葉です。
努力の量を増やす前に、何を変えれば上達するのかを知る。その見極めにも時間がかかります。
うまくいかなかった練習や仕事を振り返り、次は何を試すかを一つ決める。結果が出ていない時期でも、改善の仕方が分かってきたなら、それは前進です。
2.高い目標へ向かう過程を大切にする
それに向かっていく過程こそが大事なんだと思う。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number2010年6月29日臨時増刊号(掲載元表記:2010年6月22日)より抜粋。
この「それ」は、日本代表が掲げたワールドカップのベスト4という目標を指します。無理だと言う人がいても、そこを目指す過程に意味があると語りました。
高い目標には、今のやり方を見直すきっかけがあります。簡単に届く目標だけを選んでいたら、準備の基準も変わらないかもしれません。
ただし、達成できなかった悔しさを消す必要はありません。結果を受け止めたうえで、挑戦によって何が変わったのかを確かめたい言葉です。
3.経験を重ねても、人のプレーから学ぶ
37歳の自分からしても、本当にいい教材。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number904号(2016年6月16日)より抜粋。
当時32歳のイニエスタについて語った言葉です。中村は、無駄な動きを減らし、状況に応じて力を使うプレーに注目していました。
長く続けた分野ほど、自分の方法が当たり前になります。それでも他の人を観察すれば、まだ取り入れられる工夫が見つかります。
年齢や立場より、「何を学べるか」に目を向ける。経験がある人にも、学ぶ側に戻れる余地は残っています。
4.自分の常識が変わる経験に出会う
サッカー観が変わるぐらいの衝撃だった。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number700号(2008年3月19日)より抜粋。
セルティック時代、2008年の欧州チャンピオンズリーグでバルセロナと対戦した際の言葉です。質の高いパス回しに、それまでの見方が変わるほどの衝撃を受けたと語っています。
上手な人を見ると、まず自分との差が気になります。けれど、その差は新しい方法を知る入り口にもなります。
「自分にはできない」で終える前に、どこが違ったのかを一つ観察する。驚いた経験を、次の工夫につなげることができます。
5.一つの大会だけで、成長の道を決めない
W杯は大事だけど、別にW杯のためだけに生きているわけじゃないから。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number733号(2009年7月16日)。
2010年のワールドカップを翌年に控え、エスパニョールへ移籍した時期の発言です。中村は、大会への準備だけでなく、自分が上達することも重視していました。
大切な試験や選考が近づくと、その結果がすべてのように感じられます。しかし、その先にも学びや仕事は続きます。
目の前の目標に取り組みながら、長い目で自分を育てる選択も考える。一度の結果だけに、将来の可能性を閉じ込めないための言葉です。
挫折と挑戦についての中村俊輔の名言5選
6.悔しさの中にも、次へ進む力がある
悔しいと思ったらまた強くなれるから
出典:日刊スポーツ「『悔しいと思えばまた強くなれる』/あのときの一言」(2020年5月7日)。2002年5月17日の発言を紹介した記事の本文より抜粋。
2002年の日韓ワールドカップで日本代表のメンバーから外れた後、中村が取材に答えた言葉です。
悔しいと感じるのは、その目標に本気で向き合っていたからでもあります。すぐに気持ちを切り替えられなくても、無理に平気なふりをする必要はありません。
落ち着いてから、次に変えられることを考える。悔しさが強さに変わるまでには、その間をつなぐ行動が必要です。
7.評価されないときも、準備を続ける
理解されないからって諦めたり、投げ出したりするんじゃなくて、もがくべきなんだよね。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number636号(2005年9月8日)。
レッジーナで負傷による離脱を経験し、復帰後には自分のポジションもチームのサッカーも変わっていた。その厳しい時期を振り返った発言です。
ここでの「もがく」は、ただ気持ちを強く持つことだけではありません。掲載元では、チャンスが来ると考えながら準備を続ける姿勢も紹介されています。
今すぐ評価を変えられなくても、次に任されたときにできることを増やす。待つ時間にも、自分で取り組める課題があります。
出場できない時期の準備や逆境との向き合い方は、長谷部誠の名言・格言15選でも紹介しています。
8.結果だけでは見えない経験が残る
海外でもがいた経験は必ず後で生きる。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number730号(2009年6月4日)より抜粋。
海外で試合に出られなかったとしても、現地のサッカーに適応しようとした努力まで失敗になるわけではない。若手の海外挑戦について語る中での言葉です。
望んだ結果が出なかった経験にも、試した方法や、自分の課題を知った時間が残ります。
その経験を生かすには、振り返りが欠かせません。何が通用し、何を変える必要があったのか。次の挑戦に持っていけるものを整理することで、経験の使い道が見えてきます。
9.苦しい時期だけで、人生全体を判断しない
人生なんだから山もあれば谷もある。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number769号(2010年12月24日)。
思うように出場できなかった南アフリカワールドカップを振り返った言葉です。中村は、その大会を人間的な成長につながった場として捉えていました。
苦しい時期にいると、これからもずっと同じ状態が続くように感じることがあります。
けれど、今の状況が人生の結論とは限りません。先の見通しが立たない日は、大きな答えを急がず、今日を少し整えるところから始めてもよいのです。
10.新しい環境へ進む前に、難しさも引き受ける
そんな覚悟を決めて外に出なければならない。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number730号(2009年6月4日)より抜粋。
「そんな覚悟」とは、違うサッカーや厳しい状況に直面しても、そこで結果を出すという気持ちを指します。日本人選手が海外でプレーする際の心構えを語った発言です。
環境を変えれば、すべてが好転するとは限りません。慣れた方法が通じず、以前より難しく感じることもあります。
だからこそ、進む前に学ぶことや必要な支えを考えておく。覚悟は、不安をなくすことより、難しさを知ったうえで準備することに近いのかもしれません。
新しい環境への挑戦について考えたい人は、本田圭佑の名言・格言15選も読んでみてください。
自分とチームについての中村俊輔の名言5選
11.周囲の評価より、磨くべき力に目を向ける
誰もが認める選手になればいいわけ。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number548号(2002年4月25日)より抜粋。
日韓ワールドカップの代表選考が近づき、自分の立場が厳しい時期に語った言葉です。2002年5月の落選後の発言ではありません。
評価に納得できないときほど、相手の見方ばかりが気になります。そこで、自分の技術や成果に目を戻すという考え方です。
もちろん、全員から認められることを日常の目標にすると苦しくなります。ここでは、他人の反応を追い続けるより、自分が磨ける力を確かめる姿勢として受け取りたい言葉です。
12.期待に応えるために、自分の状態を整える
自分の体調やメンタルを大事にするってことに、まずは集中してる。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number615号(2004年11月11日)より抜粋。
日本代表でのプレーについて語った言葉です。中村は、代表でもクラブでも、自分の状態を整えることに意識を向けていました。
大きな期待を背負うほど、気持ちだけで応えようとしてしまいます。しかし、疲れや不安を抱えたままでは、できることも限られます。
次に力を出すために、準備の仕方や休む時間を見直す。チームのことを考えるからこそ、自分の状態にも目を向けたいところです。
13.人を生かし、人に生かされる
サッカーは1人でやるスポーツではない。11人でやることで生き長らえるヒントがある。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number971号(2019年1月31日)。
40歳でプロ23年目のシーズンを迎える時期の発言です。掲載元では、チームメイトとの連係を日頃から深める姿勢が紹介されています。
長く活躍するための方法は、自分一人の能力を伸ばすことだけではありません。相手の得意なことを知り、自分の力と組み合わせる方法もあります。
仕事でも、一人で抱え込むより、相談や役割分担で進められる場面があります。助け合える関係を普段から作ることも、続ける力になります。
14.自分の役割を、チーム全体から考える
自分よりもチーム。チームがうまく機能するように、ね。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number712号(2008年9月18日)より抜粋。
南アフリカワールドカップのアジア最終予選を前に語った言葉です。うまくいかない場面で、チームとしてどうするかを考えていました。
自分が目立つことと、全体がうまく進むことは、いつも同じではありません。
いま足りない仕事は何か、誰が困っているのかを見渡す。自分の担当を果たしたうえで、全体を助ける一つの行動を選ぶ。役割の価値は、目立ち方だけでは決まりません。
15.受け継ぐ役割に、誇りを持つ
やっぱり誇りを持ってほしいというのはある。
出典:Number Web「中村俊輔の名言」/Number769号(2010年12月24日)より抜粋。
日本代表を引退した中村が、次に代表の背番号10をつける選手へ向けて語った言葉です。
引き継いだ仕事や役割には、前の人が積み重ねた時間があります。その重みを知ると、任されたことへの向き合い方も変わります。
前任者と同じ人になる必要はありません。受け継いだものを大切にしながら、自分の方法で責任を果たしていく。その姿勢に、役割への誇りが表れるのではないでしょうか。
中村俊輔の言葉をもっと深く知りたい人へ
発言の背景や技術への考え方を詳しく知りたい人には、『中村俊輔 サッカー覚書』(中村俊輔・二宮寿朗、文藝春秋)があります。
出版社の紹介によると、32歳から39歳までの7年間にNumberで綴られた内容をまとめた書籍です。海外、日本代表、フリーキック、Jリーグなどのテーマを扱っています。
この記事の引用元は各項目に記載した記事です。書籍を引用元として扱っているわけではありません。
中村俊輔の名言から考えたいこと
中村俊輔の言葉には、結果が出ないときにも学び続ける姿勢と、自分の力をチームの中で生かす視点があります。
努力の方法を一つ見直す。次の機会に向けて準備する。周囲と話し、自分にできる役割を探す。
今の自分に近い言葉を一つ選び、その言葉から試せる行動を考えてみてください。

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