『アンナチュラル』のミコトには、仕事への信念を語る言葉も、ごはんや暮らしに戻ってくる言葉もあります
短いセリフでも、誰に向けて話しているのかによって、伝わるものが変わります
この記事では、2018年のTBSドラマから、三澄ミコトの名言を5つ紹介します
第1・2・4・7・10話の言葉を、相手と場面、出典が分かる形でまとめました
※第7話と最終話を含む物語の展開に触れます
引用はセリフの一部です
『アンナチュラル』ミコトの名言一覧|話数と相手から探す
一覧の言葉は、すべて三澄ミコトのセリフです
| 名言・解説 | 話数 | 話した相手 |
|---|---|---|
| 1.法医学は未来のための仕事 | 第1話 | 久部六郎 |
| 2.絶望してる暇あったら、うまいもん食べて寝るかな | 第2話 | 久部六郎 |
| 3.生きるため | 第4話 | 久部六郎 |
| 4.あなたの人生は、あなたのものだよ | 第7話 | 高校生・白井 |
| 5.私を絶望させないでください | 第10話・最終話 | 中堂系 |
ミコトは、石原さとみさんが演じる法医解剖医です
死因を調べる専門家が集まる、ドラマ内の「不自然死究明研究所」、通称UDIラボで働いています
六郎はその記録員、中堂は同じラボの法医解剖医です
作品の基本設定は、TBS公式・はじめにで確認できます
ミコトの言葉を、会話の背景から読む
1.法医学は未来のための仕事|第1話・六郎に伝える仕事の意味
法医学は未来のための仕事
話した相手:久部六郎/第1話
UDIラボで記録員として働く医大生の六郎は、法医学を、亡くなった人のための学問として捉えています
病気やけがを治療する医学との違いを意識する六郎へ、ミコトが返すのがこの言葉です
亡くなった人を調べる仕事に対して、ミコトが示す時間は「未来」です
すでに起きたことを確かめる行為が、これから生きる人の暮らしへつながっている
この短い返事が、物語の向かう先を示しています
TBSの公式紹介も、亡くなった人に向き合うことと、今を生きる人や未来の誰かを救うことを結び付けています
過去を調べることと、未来を考えることが、一つの仕事の中にあるのです
この返事は、六郎が尋ねた仕事を違う角度から見せています
何をしているかに加えて、それが誰のこれからにつながるのか
ミコトの仕事への姿勢が、最初の一話で伝わってきます
出典:Real Sound・第1話の会話を紹介した記事(2018年1月22日) 作品の主題:TBS公式・はじめに
2.絶望してる暇あったら、うまいもん食べて寝るかな|第2話・六郎への返事
絶望してる暇あったら、うまいもん食べて寝るかな
話した相手:久部六郎/第2話
この言葉は、六郎が、ミコトは絶望することがないのかと尋ねたときの返事です
亡くなった人や、理不尽な出来事に向き合う仕事をしているミコトに、六郎が問いを向けています
印象的なのは、返事がごはんと睡眠に着地することです
大きな理想を語っていた人が、自分の体を持った一人の人として話しているように聞こえます
語尾も「かな」です
自分ならこうする、という話し方に、ミコトの率直さが表れています
六郎がミコト自身について尋ね、ミコトが自分の過ごし方を答える会話です
第1話では未来の話をしたミコトが、ここでは今日の食事や眠りの話をする
人の死に向き合う仕事と、自分の生活を続けることが、彼女の中で隣り合っています
その身近さも、この返事が記憶に残る理由の一つではないでしょうか
出典:CanCam.jp・第2話のセリフと六郎の問いを紹介した記事(2019年4月17日) 話数・放送日:TBS公式・第2話あらすじ(2018年1月19日放送)
3.生きるため|第4話・働く理由を尋ねる六郎へ
生きるため
話した相手:久部六郎/第4話
医大の友人から何を目指しているのかと問われた六郎は、ミコトにも、どうして働いているのかを尋ねます
その問いに返ってくるのが、この短い答えです
六郎は、自分にはまだ夢が見つかっていないと話します
ミコトはそこから、給料で欲しいものを買うことや、休みの予定、誰かのために働くことなど、身近な目標の話をします
第1話の、法医学という仕事の意味を語る言葉と並べると、違いがよく分かります
仕事を通して誰かの未来に関わることと、自分が生活するために働くこと
ミコトは、その両方を口にしています
大きな夢を探している六郎へ、生活の中にある理由を示すところに、この会話の温かさがあります
六郎の問いを、将来の立派な目標へ急いで結び付けようとしない返事です
一方、第4話は、工場で働いていた佐野の死と、その家族をめぐる物語でもあります
公式あらすじには、長時間労働による過労が事故原因の候補の一つとして挙げられています
働く人の命を見つめる回だからこそ、この一言にも、自分の暮らしや体が仕事の外へ追いやられてしまわないように、という問いが重なって聞こえます
出典:Real Sound・第4話の六郎とミコトの会話(2018年2月3日) 事件の設定:TBS公式・第4話あらすじ(2018年2月2日放送)
4.あなたの人生は、あなたのものだよ|第7話・白井に向けた呼びかけ
あなたの人生は、あなたのものだよ
話した相手:高校生・白井/第7話
第7話でミコトが向き合うのは、高校生の白井です
白井は、いじめを受けていた友人の横山を亡くし、自分自身も追い詰められています
この言葉は、ミコトがその白井の命を引き止めようとする呼びかけの中にあります
短い一節に「あなた」が二度出てきます
配信を通した会話の中で、ミコトは白井という一人の人に言葉を向けています
誰に何をされたか、その苦しさをどう伝えるかというところから、白井自身のこれからへ話を向けています
他人に傷つけられた出来事が、その人の人生のすべてになってしまうことへの、切実な呼びかけとして読めます
この場面には、声をかける相手がいることも大切です
自分の人生を大事にするという言葉が、ミコトから白井へ届けられています
その内容とともに、一人の大人が白井の命を気にかけていることが伝わる場面です
いじめに向き合う本人と、周りの人が交わす言葉は、『3月のライオン』いじめ編の名言5選でも紹介しています
出典:Real Sound・第7話の展開とミコトの呼びかけ(2018年2月24日) 話数・放送日:TBS公式・第7話あらすじ(2018年2月23日放送)
5.私を絶望させないでください|最終話・中堂に伝える願い
私を絶望させないでください
話した相手:中堂系/第10話・最終話
中堂は、恋人の夕希子を事件で失っています
最終話では、その事件を含む複数の殺人の疑いがある高瀬に対し、ミコトたちが検証を続けます
この一言は、不条理な事件に巻き込まれた中堂が、自分の人生を手放して、同じように不条理なことをしてしまうのを見たくない、というミコトの言葉の一部です
第2話では、六郎から絶望について聞かれ、自分なら何をするかと答えていました
最終話では、同じ「絶望」という言葉を使いながら、中堂に、自分の願いを伝えています
主語が「私」であることに、この場面の切実さがあります
中堂がどうなっても平気で立っていられる人として話しているのではなく、その人の選択に自分も心を動かされる立場から、言葉をかけています
仕事の同僚であることを越えて、あなたにこれ以上傷ついてほしくないという願いがにじむ一節です
第7話の白井への呼びかけと並べると、ミコトが向き合っているのは、死因だけでなく、今ここにいる人のこれからでもあることが見えてきます
出典:Real Sound・『アンナチュラル』最終話のミコトの言葉を振り返る記事(2020年8月20日) 事件の設定:TBS公式・第10話あらすじ(2018年3月16日放送)
日常の言葉と、誰かを思う言葉
六郎への返事には、仕事の意味と、生活するために働く感覚の両方があります
白井や中堂への呼びかけには、相手のこれからを失いたくないという願いがあります
ミコトの言葉を会話としてたどると、強い信念を持つ姿だけでなく、ごはんの話をする姿や、誰かに願いを伝える姿も浮かんできます
未来という大きな言葉と、今日を生きる身近な行為がつながっているところに、この人物の魅力があります
ほかの作品で記憶に残ったセリフを探すときは、平成ドラマの名言・名セリフ集|27作品を年代別に紹介もあわせてどうぞ

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