「成長するのに特効薬はないんですよ。」
すぐに結果を出したいと焦るとき、この遠藤保仁の言葉は、取り組みを見直すきっかけになります。
遠藤の発言を読むと、落ち着いていることと、何も考えていないことは違うと分かります。周囲を観察し、先の展開を考え、必要なときには自分から働きかける。その姿勢が、自然体に見えるプレーを支えていました。
この記事では、本人インタビューやNumber Webで確認できた名言・発言を15個紹介します。「焦らず成長する」「自分で考える」「チームと自分らしさ」の3つに分け、発言の背景と、仕事や日常に重ねて考えられることをまとめました。
※引用の一部は、掲載元本文からの抜粋です。見出しは当記事による要約です。引用の後には、発言の背景と当記事の考察を記載しています。
焦らず成長するための遠藤保仁の名言5選
1.「成長するのに特効薬はないんですよ」
成長するのに特効薬はないんですよ。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number833号(2013年7月25日)より抜粋。
日本代表が、自分たちで主導権を握るサッカーに取り組んでいた時期の言葉です。遠藤は、チームのまとまりを保ちながら個人の力も伸ばす難しさを語っています。
うまくいかないときほど、すぐに変われる方法を探したくなります。しかし、一つ覚えただけですべて解決する課題ばかりではありません。
何が足りないかを確かめ、試し、振り返る。変化が小さくても、その過程を飛ばすことはできません。結果を急ぐ前に、今の取り組みで何が身についているかを見たい言葉です。
2.「目先の結果に一喜一憂しちゃダメでしょ」
目先の結果に一喜一憂しちゃダメでしょ。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number842号(2013年11月28日)。
2013年、日本代表は10月の欧州遠征で結果を出せず、11月にはオランダと引き分け、ベルギーに勝ちました。評価が変わる中、遠藤は取り組みを貫くことの大切さを語っています。
悪い結果が出るたびに方法を変え、良い結果が出たら安心する。それでは、何が改善につながったのかが見えにくくなります。
一度の結果を受け止めつつ、続けて確認する。結果だけでなく、内容や課題の変化も見る。その両方があって、次に変えるべきことを判断できます。
3.失敗したときこそ、原点へ戻る
失点した時こそ、原点に戻ってプレーすることが大事なんですよ。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number800号(2012年3月22日)より抜粋。
ブラジルワールドカップのアジア3次予選、ウズベキスタン戦を振り返った言葉です。遠藤が大切にしたのは、失点後も組織でボールをつなぎ、相手を崩すという考え方でした。
ミスを取り返そうと焦ると、普段なら確認することまで飛ばしてしまいます。
そんなときは、目的、手順、周囲との連携を確認する。失敗直後に特別なことをしようとする前に、戻れる基本を持っておくことが、次の判断を支えます。
気持ちが乱れたときの準備については、長谷部誠の名言・格言15選でも紹介しています。
4.苦しい展開にも、次へつながる経験がある
苦しんで勝つほうが若い選手にとってもいい経験になる。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number787号(2011年9月15日)より抜粋。
ワールドカップのアジア3次予選、北朝鮮戦についての発言です。相手の守備を崩すのに苦労し、決勝点は試合終了間際に生まれました。
順調に進んだときには分からなかった課題が、難しい場面で見えることがあります。待つべきか、方法を変えるべきか。そこで考えたことも経験として残ります。
ただ苦労したという記憶で終わらせず、何が打開につながったかを振り返る。次に似た状況が来たとき、その経験を使いやすくなります。
5.高い目標から、必要な課題を考える
今の代表の目標はW杯優勝だからね。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number849号(2014年3月13日)より抜粋。
2014年の日本代表についての言葉です。「今」は発言当時を指します。遠藤は、高い目標を掲げることで、そこへ届くために必要なことを考えるようになると語っていました。
目標が決まると、現状との距離も見えてきます。その差を、練習や準備の課題へ分けていくことが大切です。
大きな目標を口にするだけで終わらず、今日取り組む一つを決める。遠い目標と目の前の行動をつなげたいときに読みたい言葉です。
自分で考えて戦うための遠藤保仁の名言5選
6.考えるために、まず情報を集める
まずは情報収集だなと。
出典:Seiko HEART BEAT Magazine「時とアスリート・遠藤保仁」(2026年7月17日)より抜粋。
小学生の頃、頭を使ってプレーするとはどういうことかを考え、周囲を見るようになった経験を語っています。
考えているつもりでも、自分の手元しか見ていなければ、判断の材料が足りません。
相手は何を求めているか。前の工程はどこまで進んでいるか。自分の作業が後にどう影響するか。仕事でも、状況を確かめることで、取り得る行動が変わります。判断する前に、見る範囲を広げたい言葉です。
7.「相手の逆手を取るようなプレーがないと面白くない」
相手の逆手を取るようなプレーがないと面白くない。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number948号(2018年3月15日)。
相手の考えを読み、その予想を外すプレーについての言葉です。掲載元では、ボールを止める、蹴るという基礎技術を土台にした駆け引きが紹介されています。
正面から力を出す以外にも、相手の動きや状況に合わせて方法を変える余地があります。
いつもの方法で進まないなら、順序や伝え方を変えてみる。工夫を形にするためにも、基本を磨くことが必要です。考える面白さと技術の両方に目を向けられる言葉です。
8.状況が変わる時間に、判断の差が出る
僕にとって後半15分から40分くらいが一番楽しいし、面白い。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number982号(2019年7月11日)。
遠藤は、疲労や集中力の変化によって、判断と技術の差が出やすい時間帯として説明しています。
条件が変われば、有効な方法も変わります。開始時点の予定を、そのまま最後まで続ければよいとは限りません。
途中で一度、状況を確かめる。相手や周囲に変化があれば、自分の動きも調整する。最初の計画を立てる力に加え、進行中に見直す力も大切にしたいところです。
9.自分の担当を越えて、全体を見る
監督目線みたいなのが出てきてるんですよね。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number873号(2015年3月5日)より抜粋。
30歳を過ぎてサッカーがさらに楽しくなり、どうすれば勝てるかをチーム全体の視点でも考えるようになったという発言です。
自分の仕事を終えることと、全体がうまく進むことは、必ずしも同じではありません。
前後の工程で困っている人はいないか。目的に対して足りないものは何か。担当を果たしながら周囲も見ると、経験を生かせる場所が増えていきます。
10.相手との差を、具体的に見る
ペナルティボックス内のいろんな精度。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number725号(2009年3月19日)より抜粋。
2008年のクラブワールドカップでマンチェスター・ユナイテッドと対戦し、何に差を感じたかを語った部分です。遠藤は、ゴールに近い場所でのシュートや守備の精度に目を向けていました。
強い相手と比べて「全部違う」と感じるだけでは、次の課題を決めにくくなります。
どの場面で、何の正確さが足りなかったか。違いを具体的にすると、次に練習することが見えてきます。相手のすごさを、自分の課題を知る材料にしたい言葉です。
海外の強豪から学ぶ姿勢は、中村俊輔の名言・格言15選でも取り上げています。
チームと自分らしさについての遠藤保仁の名言5選
11.良い選手がいるだけでは、勝てない
チームがまとまらないと、どんなにいい選手がいても勝てない。
出典:Number Web「遠藤保仁の名言」/Number826号(2013年4月4日)より抜粋。
ワールドカップ本大会を見据え、日本代表に必要な結びつきを語った言葉です。
一人ひとりに力があっても、目指すものや判断がずれていれば、その力を合わせにくくなります。
仲の良さだけでなく、目標、役割、困ったときの対応を共有する。普段から話すことで、相手が何を考えているかを知れます。個人の力を生かすには、つなぐための取り組みも必要です。
12.任されることへの感謝を、プレーで返す
良いプレーで期待に応えたいと思います。
出典:あすリートチャンネル「【ガンバ大阪】遠藤保仁 ロングインタビュー vol.1」(2020年5月7日公開)より抜粋。
長く試合に出場し、必要とされてきたことについて尋ねられた場面です。遠藤は、自分を信頼して送り出すチームへの思いを語っています。
任された仕事があるとき、その期待は負担にも、支えにもなります。
期待の大きさだけを考えるより、何を任されているのかを確かめる。必要な準備をして、困る前に共有し、結果を報告する。信頼に応える行動を、できることへ分けて考えたい言葉です。
13.落ち着いた姿勢を、自分から示す
一つは、堂々としていること。
出典:Seiko HEART BEAT Magazine「時とアスリート・遠藤保仁」(2026年7月17日)より抜粋。
試合の流れに応じてプレーを修正するうえで、何を大切にしていたかを語った言葉です。焦っていないという姿勢を、自分から表すことを挙げています。
周囲が慌ただしいと、自分まで急いで判断したくなります。そんなとき、確認することを一つずつ言葉にすると、状況を整理しやすくなります。
何も分かっていないのに平気なふりをする必要はありません。把握していること、まだ分からないこと、次にすることを落ち着いて示す。それも周囲を支える行動になります。
14.「慌てて得をすることがない」
慌てて得をすることがない
出典:サッカーキング「【一問一答】自由過ぎる、マイペース過ぎる遠藤保仁の頭の中をのぞく」(2013年4月22日)より抜粋。
直せない癖を尋ねられ、急がない性格について答えた中の一節です。本人は、急ぐべきときもあることを認めています。
この言葉を、時間を守らなくてもよいという意味には受け取りたくありません。急ぐことと、慌てて確認を失うことは違います。
期限があるなら早めに取りかかる。時間が足りないなら優先順位を決める。落ち着いて動くために、余裕をつくる準備から考えたい言葉です。
15.特別な出来事だけを、喜びにしない
毎日楽しく生きられていることがうれしいです。
出典:サッカーキング「【一問一答】自由過ぎる、マイペース過ぎる遠藤保仁の頭の中をのぞく」(2013年4月22日)より抜粋。
最近一番うれしかったことを尋ねられた際の答えです。大きな出来事を挙げる代わりに、日々を楽しく過ごせることへ目を向けています。
達成したいことがあると、まだ届いていない部分ばかり数えてしまいます。その間にも、できるようになったことや、楽しめた時間はあるかもしれません。
目標を追いながら、今日よかったことも一つ拾う。結果が出る日だけを待たず、取り組む時間の中にも続ける理由を見つけたい言葉です。
遠藤保仁の考え方を、本でも知りたい人へ
落ち着いて自分らしく取り組む考え方に関心がある人には、『「マイペース」が引き出す可能性 ~常に自分らしくいられる簡単メソッド~』(遠藤保仁、監修・浮世満理子、講談社)があります。
出版社の案内では、遠藤への取材をもとに、緊張、不安、焦りなどへの対応を扱う本として紹介されています。日常での取り組み方をさらに知りたい人が、内容を確認するための一冊です。
※書籍紹介は出版社の説明に基づきます。この記事の15個の発言は、各項目に記した記事・インタビューで確認しています。
遠藤保仁の名言から考えたいこと
遠藤保仁の言葉には、結果を急がず取り組む姿勢と、状況を見て自分で判断する視点があります。
焦ったら基本を確かめる。差を感じたら、何が違うのかを具体的にする。自分の担当に取り組みながら、周囲にも目を向ける。
今の課題に近い言葉を一つ選び、次の行動につなげてみてください。

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